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舌下免疫療法(SLIT、アレルゲン免疫療法、減感作療法)

どんな治療法?

アレルギーの治療法の一つに、その原因となる物質(アレルゲン、抗原)を体内に少しずつ取り入れて、体を徐々にアレルゲンに慣らしていって抗体をつくる「アレルゲン免疫療法(減感作療法)」があります。

「舌下免疫療法(SLIT)」は、アレルゲンが配合された治療薬を「舌の下」にしばらく含んでから飲み込んで、毎日少しずつ免疫をつくっていくアレルゲン免疫療法の一種です。

2014年に舌下免疫療法が開始されるまで、減感作療法といえば注射による「皮下免疫療法」が主流でしたが、舌下免疫療法のほうが簡便で続けやすいため、結果的に治療効果が高くなりました。

2018年現在、次の症状の治療薬があります。

  • スギ花粉症(薬品名「シダトレン」)
  • ダニ抗原によるアレルギー性鼻炎(薬品名「アシテア」および「ミティキュア」)

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舌下免疫療法の「優れている点」と「注意すべき点」は?

《優れている点》
  • 臨床試験の結果では、およそ80%の方に効果がありました。
    うち、およそ20%の方は症状が出なくなりました。
    残りのおよそ60%の方は症状が改善しました。
  • 免疫をつくる治療法ですので、根治が期待できます
《注意すべき点》
  • 治療には3年~5年、毎日治療薬を飲み続けなくてはなりません。
  • 臨床試験の結果では、およそ20%の方には効果がありませんでした。
  • 重大な副作用が生じる可能性を否定できません(現在のところ、軽微な副作用のみ報告されています。また万一に備え、万全の体制で初期の処置を行います。くわしくはこちらをご参照ください)。

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舌下免疫療法を受けられない方、注意が必要な方

《受けられない方》
  • 対象のアレルギー(スギ花粉症、ダニ)ではない方
  • 重い気管支喘息の方
  • 悪性腫瘍(がん)や免疫系の病気がある方
《注意が必要な方》
  • アレルゲンを使った治療や検査によってアレルギー症状をおこしたことがある方
  • 気管支喘息の方
  • 65歳以上の方
  • 妊婦の方、授乳中の方
  • 抜歯後や口の中の術後、または口の中に傷や炎症などがある方
  • 重症の心疾患、肺疾患及び高血圧症がある方
  • 他に服用中のおくすりがある方(非選択的β遮断薬、三環系抗うつ薬、モノアミンオキシダーゼ阻害薬<MAOIなど>)
  • 全身性ステロイド薬の投与を受けている方
  • 対象以外のアレルゲンに対しても反応性が高い方

副作用について

主な副作用

現在までのところ、舌下免疫療法を行うことで重篤な副作用が発生した事例はありませんが、次のようなものが報告されています。いずれも軽微な症状で、ほとんどが一時的なものです。しかし、もしこのような症状が出て、おさまらない場合はただちに受診が必要です。

  • 口の中の副作用(口内炎、舌の下の腫れ、口の中の腫れ)
  • 喉のかゆみ
  • 耳のかゆみ
  • 頭痛 など
(参考)重篤な副作用とは?

舌下免疫療法は微量のアレルゲンから少しずつ免疫力をつけていくため、くり返しになりますが、これまで重篤な副作用は報告されていません。しかしながら、臨床検査の結果、きわめて稀に次のような重篤な副作用(アナフィラキシー、アナフィラキシーショック)が発生する可能性は否定できないとされています。

いざというときに備え、3つのポイントを挙げます。

①もしもショック症状が出るならこんなとき

  • 薬を飲んだ直後から30分の間
  • 舌下免疫をはじめたばかりのときから、およそ1カ月の間
  • アレルギーの原因物質(スギ花粉、ダニ)が大量に飛散しているとき

②次のような場合(疑いがある場合)は、迷わずに救急車を呼んでください

  • 脈拍が速くなる(頻脈)
  • 脈拍が不規則になる(不整脈)
  • 気が遠くなる(血圧低下)
  • 意識が混濁する(神経症状)

③次のような症状は、ショック症状の前兆の可能性があります

  • 皮膚の症状
    じんま疹、掻痒感、紅斑、皮膚の発赤などの全身的な皮膚症状(医薬品の投与数分から通常は30分以内に、初発症状のことが多い)
  • 呼吸器の症状
    声がかれる、喉の掻痒感、胸のしめつけ感、咳、呼吸困難、呼吸の音がゼーゼー・ヒューヒューする、チアノーゼなど
  • 消化器の症状
    持続する胃痛、持続する嘔吐など
  • 循環器の症状
    頻脈、不整脈、血圧低下など
  • 眼の症状
    視覚異常、視野の狭窄など
  • 神経の症状
    不安、恐怖感、意識の混濁など

 治療を検討している方は、必ず確認してください

  • 3年以上という長時間の治療を受けられる
  • 舌の下に薬を2分間保持したあと飲み込むことを毎日継続できる
  • 4週間に1度、来院・受診できる
  • 以下の各点が理解できる。①すべての患者さんに効果を示すわけではないこと、②効果があって終了した場合でも、その後効果が弱くなる可能性があること、③アナフィラキシーなどの副作用がおこるおそれがあること

 

治療の流れ

以下はスギ花粉症(シダトレン)の場合です。ダニアレルギーの場合も、流れは同じです。

(1)通常の診察

通常の診察を受けていただき、治療が可能かどうかの確認をおこないます。
あわせて、次回の診療日(アレルゲンの初回投与をおこなう日)を決めます。

(2)アレルゲンの初回投与

当院にてアレルゲンの初回投与をおこないます。
投与の後は、約30分間、当院で経過を見ます。

この日は、詳細な説明、舌下免疫療法を受ける同意書の記入手続きもあり、受付から会計終了まで1時間30分ほどを予定しています。

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(3)はじめの14日間(増量期)

薬液は、1日1回、舌の下に2分間保持した後、飲み込みます。その後5分間はうがい、飲食をひかえてください。なお、こうした基本的な投与のやり方は、その後もずっと変わりません。

はじめの14日間(増量期)は、投与するアレルゲンの量を少しずつ増やしていき、体に慣れさせます。

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1~7日目は、アレルゲンの量が少ない青色ボトルの薬液を投与します。毎日、定められた用量を舌下に投与し、少しずつ増やしていきます。

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8~14日目は、白色ボトルの薬液を使います。1週目と同じように、定められた用量を舌下に投与し、少しずつ増やしていきます。

 

(4)15日目以降(維持期)

3週目からは、毎日同量の薬液を投与し続けます。1ミリリットル入りの使い切りパックを用い、1日1パック全量を舌下に投与します。これを3~5年間継続します。

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診察と費用について

3割負担の場合、シダトレンによるスギ花粉の舌下免疫療法の治療費用はおおむね以下のようになります。

診察 診察費用 お薬代
初回投与の日(14日分) 再診の場合 約580円 約1010円
初回投与から2週間後(14日分) 約580円 約1120円
以後4週に1度通院(28日分) 約580円 約1710円

※お薬代は参考金額です。詳しくは薬局にてお尋ねください(2018年4月改訂)。

「シダトレン」の保管、購入時のご注意

シダトレンは冷所(2~8℃)で保管するように定められています。通常は冷蔵庫内で保管してください。
調剤薬局でお薬を購入される際も、移動時の気温や時間を考慮して、必要に応じて保冷バッグと保冷剤を用意していただいています。

参考資料

効果やリスク、具体的な治療イメージなど、ご自身でよく調べておくことを強くおすすめします。下記のサイトに、有効な情報がありますので、ぜひご覧ください。

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